生薬 薬草 プロジェクト
千年のあいだ、医薬は信仰の隣にあった。
鑑真がもたらした六十種の薬種、薬師如来の薬壺、修験者が山で煮詰めた陀羅尼助、永平寺の薬石(やくせき)、道修町に祀られる神農さん——日本の医薬・薬草・漢方文化は、神社仏閣と分かちがたく結ばれた歴史の堆積のうえに立っている。
私たち7HGは、この「医薬と信仰のあいだに堆積した千年の知恵」を、現代の社会課題に接続する新たなプロジェクトを始動します。
なぜ、いま、この問いに向き合うのか。
日本の生薬・薬草・漢方の伝統は、明治の制度改革を境に、その経済基盤と知の流通網を失いました。寺社の薬草園は没収され、修験者の薬種ネットワークは解体され、僧侶が担っていた地域医療は近代医学に一元化されました。
その結果、私たちは——
- 薬の原料の大半を、海外調達に依存する産業構造を抱えるようになり、
- 地域に根差した医薬・健康の知恵を、文化財や観光資源としてしか語れなくなり、
- 千年単位で蓄積された予防医学・食養生・身体技法の体系を、断片的にしか継承できなくなった。
しかしいま、予防医療への関心、地域共生圏の再構築、サステナブル産業への移行、そして文化的アイデンティティへの渇望が、同時に立ち上がっています。
失われた系譜を「過去のもの」として陳列するのではなく、現代の課題に接続する設計図として読み直す。——それが、このプロジェクトの出発点です。
四つの戦略軸で、日本の医薬の系譜を読み直す。
私たちは、日本の宗教伝統が「医療とは何か」という問いに対して提示してきた答えを、四つの戦略軸として整理しました。
— 物質を介して癒す。 真言宗系修験道の生薬伝統、黄檗宗が伝えた明朝中国の本草学。陀羅尼助、煎茶、普茶料理。
— 日々の食を、薬とする。 曹洞宗の精進料理、典座教訓、薬石(やくせき)の身体観。三徳六味は現代薬膳の母体である。
— 身体を技法として鍛え、整える。 真言・天台の加持祈祷、日蓮宗の大荒行と木剣修法。四百年口伝で継承される身体技術の体系。
— 呪術から離れ、近代医療を支える。 浄土真宗本願寺派が関東大震災後に立ち上げた医療事業。あそか病院は今も無料低額診療の灯を継いでいる。
これら四つは互いに矛盾するのではなく、現代の医療・健康・コミュニティのあり方をより豊かにする補完的な視座です。
私たちが取り組むのは、「文化資本としての医薬」を現代に接続することです。
このプロジェクトは、特定の製品開発や、特定の地域開発を目的としたものではありません。神社仏閣と医薬の千年の系譜を、現代の社会・経済・文化の文脈に接続するための——
- 思想的フレームワークの構築
- 関係者との対話と協働の設計
- 中長期の事業構想の醸成
——これらを、急がず、しかし確実に進めていく営みです。
予防医療、地域共生圏、ウェルネス産業、インバウンド観光、サステナブル投資、文化政策——複数の領域を横断する性質を持つため、領域横断的なパートナーとの対話を重ねながら、形を整えていきます。
声をかけてくださる方へ。
このプロジェクトは、まだ静かに、しかし確かに動き始めています。
寺社、自治体、医療機関、製薬企業、研究機関、そして同じ問いを抱えている方々——共鳴する皆さまとの対話を、これから順次始めてまいります。
続報は、このページおよび当社のリリースを通じてお届けします。ご関心をお寄せいただける方は、お気軽にお問い合わせください。
——千年の知恵は、過去ではなく、いま私たちの足元に積もっている。
株式会社セブンヒルズゲート Strategic Advisory & RainmakerZ


