農業
農業における投資の可能性
3行でわかる事業概要
- 日本の農業は、担い手が 5年で34万人 減り、平均年齢は 67.6歳。荒廃農地は 25.7万ha に達する。数字だけ見れば、縮む産業に見える。
- だが「人が抜けた農地」「使われない土地」は、見方を変えれば 取得しやすく、価値を積み増せる原資 でもある。課題の大きさは、そのまま投資余地の大きさになる。
- 7HG は、一枚の農地に 営農・発電・データ・循環 を重ねて収益源を多層化し、地域の事業として設計する。点ではなく、一次から六次までを通した「関所」をつくる。
01数字で見る、日本の農業の現在地
まず、感情を抜きにして現在地を確認する。日本の農業は、担い手・農地・自給率のいずれもが長期の減少局面にある。
2025年の 基幹的農業従事者(ふだん主に自営農業に従事する人)は およそ102万人。5年前から約34万人減り、平均年齢は67.6歳、65歳以上が約7割を占める。一方で49歳以下はおよそ 12.6% にとどまる。担い手は「減りながら、高齢化したまま」進んでいる。
| 指標 | 数値(最新) | 向き |
|---|---|---|
| 基幹的農業従事者 | 約102万人(5年で約34万人減) | 減少 |
| 耕地面積 | 約423.9万ha(ピーク1961年の約608万haから3割減) | 減少 |
| 荒廃農地 | 約25.7万ha(うち再生利用が可能 約9.8万ha) | 原資 |
| 食料自給率 | カロリーベース38%(4年連続)/生産額ベース64% | 横ばい |
| 法人経営体 | 増加傾向(家族経営の縮小と対照的) | 伸び |
数値はいずれも概数。「向き」の真鍮タグは、減少局面のなかで7HGが投資余地と見る項目を示す。
02可能性 — 課題の大きさが、投資余地の大きさになる
縮小は、それ自体が機会の裏返しでもある。人が抜けた農地は取得しやすく、参入の余白は広い。
高台の空き地が増えた街に似ている。住む人が減れば土地は安く手に入り、空が開ける。その空き地を、ただ眺めるか、畑にし、屋根を架け、データで回すか。荒廃農地という「空き地」は、いまの日本におよそ 9.8万ha 分、再生して使える状態 で残っている。
可能性は、土地だけにとどまらない。担い手が減ったぶん、残る経営体への 農地の集約 が進み、平均経営面積は約3.7haまで広がった。経営の単位が大きくなれば、機械化・データ化の投資が回りやすくなる。次の四つが、いまの農業に開いている余白である。
03課題 — 越えるべき四つの壁
可能性は、壁を越えた先にある。楽観だけでは農地は動かない。投資判断の前に、四つの壁を正面から置く。
| 壁 | 何が起きているか |
|---|---|
| 担い手の壁 | 従事者は年6万人超のペースで減り、2040年には約35万人との試算も。事業を回す「人」が最大の制約。 |
| 農地の壁 | 農地法・所有権の分散・中山間の地形。取得や転用、まとまった集約には手続と時間がかかる。 |
| 採算の壁 | 資材・肥料・燃料の高騰と円安。初期投資が重く、回収期間が長い。単作だけでは利幅が薄い。 |
| 気候の壁 | 猛暑・豪雨の常態化で収量が振れる。一品目・一手段への集中は、振れをそのまま損益に通す。 |
四つの壁は、いずれも「一つのやり方に賭ける」ほど高くなる。一品目・一収入・一人の担い手に依存するほど、担い手・採算・気候の振れが直撃する。逆に言えば、収益源と担い手を分散できれば壁は低くなる。ここが、事業設計の出発点になる。
047HG の事業内容 — 一枚の農地に、価値を重ねる
7HG は農業を「地方創生」の一領域として扱う。作物をつくることを起点に、同じ土地から複数の収益を引き出し、地域の事業として束ねる。
7HG が扱う領域は、次の五つ。いずれも単独でも成立するが、同じ地域・同じ土地の上で組み合わせるほど、壁は低くなる。
四つの壁は、一つのやり方に賭けるほど高い。だから7HG は、一枚の農地に営農・発電・データ・循環を重ね、収益源と担い手を分散させる。作物が天候で振れても、発電とデータが下支えする。これは「農業をやめる理由」を、「農地を持ち続ける理由」へ置き換える設計でもある。
05投資としての設計図 — 地域に資金が回る仕組み
7HG にとって農業は、単発の開発案件ではない。荒廃農地の取得から、再生・営農・出口までを一本の流れとして設計し、地域に資金が回り続ける形にする。
この流れを資金面で支えるのが、7HG が関わってきた地域・投資の基盤である。サステナブルファイナンスの基盤づくりを担う 一般社団法人ESG投資基盤整備機構(ESG-IIDA) と、地域の協議の場である 地域共生圏創造協議会(CCRSS) を通じて、土地・担い手・資金を地域の側につなぎ直す。農地を「個人の重荷」から「地域の事業」へ移すことが、投資としての出発点になる。
農業の数字は、たしかに縮んでいる。担い手は減り、農地は荒れ、自給率は横ばいのままだ。だが私たちは、その縮小を「終わり」ではなく「余白」として読む。人が抜けた土地は取得しやすく、空はよく開けている。
一枚の農地に、作物だけを背負わせない。発電を重ね、データで回し、残渣を循環させる。収益源を分け、担い手を分け、振れを分散する。それが、誰一人取り残さない地域の事業として、農業を続けていける形だと考えている。
Where decline becomes a designable asset — one gate at a time.
出典・注記
- 農林水産省「2025年農林業センサス結果の概要(概数値)」(2025年11月公表)。
- 農林水産省「令和6年度食料自給率について」(2025年10月公表)。
- 農林水産省「荒廃農地の現状と対策」(令和8年2月)、「令和7年耕地及び作付面積統計」。
- スマート農業の国内市場規模は各種民間調査による予測値。


