林業 NEWサプライチェーン構築
切って、植えて、また切る。
林業のサプライチェーンを組み直す
3行でわかる事業概要
- 日本の森は伐りどきを迎えているのに、木材自給率はおよそ42.5%(2024年)。資源はあるのに、山(川上)・製材(川中)・需要(川下)が分断されたまま、材もお金も回っていない。
- 7HGは、伐る→運ぶ→加工する→売る→また植える、までをひとつの流れとして設計し、点在する事業者と需要をつなぎ直す。森を所有するのではなく、結節点(関所)を運営する。
- その流れに、補助金だけに頼らない民間の投融資(森林ファンド/森林由来J-クレジット/地域金融)を重ね、回り続ける仕組みにする。
01なぜ「新しいサプライチェーン」が要るのか
日本の国土の約7割は森林。戦後に植えたスギ・ヒノキの人工林の多くが、いままさに伐りどき(主伐期)を迎えている。
資源は足りている。それでも木材自給率はおよそ42.5%(2024年・林野庁)にとどまり、私たちが使う木のおよそ半分はいまも輸入材だ。問題は「木が足りない」ことではない。伐って、運んで、加工して、買い手に届けるまでのつながり方にある。
山で木を伐る人(川上)、それを板や柱にする製材所(川中)、住宅・家具・木質バイオマス発電などの需要(川下)。この三者がそれぞれ別々に動き、間で材も情報もお金も止まってしまう。その結果、せっかくの国産材が値段で輸入材に負け、伐った跡地に木が植え直されない(再造林の遅れ)という悪循環が起きている。
これはリレー競走に似ている。足の速い走者をそろえても、バトンを渡す手前でもたつけば記録は出ない。林業も同じで、走者一人ひとりの力より、バトンの受け渡し方(連携)が結果を決める。新しいサプライチェーンとは、走者を入れ替える話ではなく、渡し方を設計し直す話だ。
| 論点 | これまで(分断) | これから(つなぎ直し) |
|---|---|---|
| つながり | 川上・川中・川下が個別最適。間で停滞 | 伐採から需要・再造林までを一本で設計 |
| 需要 | 「伐ってから売り先を探す」 | 「売り先を決めてから伐る」(出口先行) |
| お金 | 補助金頼み。事業として続きにくい | 補助金+民間投融資で循環させる |
| 伐ったあと | 再造林が後回し(跡地の放置) | 再造林・環境価値(J-クレジット)まで含めて設計 |
027HGがやること(事業概要)
7HGは森を買って林業者になるのではない。点在する事業者・需要・資金をつなぐ「関所」を設計し、運営する。
関所とは、人と物とお金が行き交う結節点のこと。地域ごとに「山林・素材生産」「製材・加工」「需要(建築・家具・エネルギー)」を結び、そこに資金とデータの流れを通す。具体的には、次の4つを担う。
7HG は世界の七つの大陸を七つの丘になぞらえ、その一つひとつに「関所」を建てるという考え方を社名に置いている。林業のサプライチェーンも、その関所のひとつ。One gate at a time.
03民間投融資をどう活かすか
林業は長く補助金に支えられてきた。補助金は大切な「呼び水」だが、それだけでは流れは続かない。
続く仕組みにするには、民間のお金を呼び込む必要がある。とはいえ林業は、回収まで数十年かかり、材価も天候も読みにくい。だからこそ、性格の違うお金を重ねて使うことが鍵になる。返済を前提とする「融資」、配当を期待する「出資」、そしてCO₂吸収という新しい価値を売る「環境価値(J-クレジット)」。これらを補助金の上に積むことで、リスクと時間軸を分け合える。
近年は民間の動きも具体化している。森林由来のJ-クレジット(森林経営活動)の認証量は累計でおよそ150万t-CO₂規模(2025年時点)まで伸び、大手企業や金融機関が再造林や森林取得に出資・融資する事例も出てきた。7HGはこうした手法を、地域の現場に合わせて組み合わせる。
| 手法 | 主な出し手 | 向く場面 | 7HGの関わり |
|---|---|---|---|
| 補助金 | 国・自治体 | 初期の整備・呼び水 | 前提 |
| 地域金融の融資 | 地方銀行・信金 | 設備・運転資金 | 補完 |
| 森林ファンド等の出資 | 事業会社・投資家 | 長期の元手・再造林 | 主軸 |
| 森林由来J-クレジット | 排出削減を要する企業 | 環境価値の現金化 | 主軸 |
「20年で何倍」といった甘い見通しは、林業では多くが上限(うまくいった場合)の話であって、約束された下限ではない。材価も制度も動く。だから7HGは、出口(売り先)と環境価値を先に固め、回収の前提を一つずつ確かめてから資金を組む。
04制度と市場の流れ
森を一度に変えようとはしない。ひとつの谷、ひとつの組合、ひとつの製材所から、バトンの渡し方を設計し直す。伐ること、植えること、その間でお金が回ること——この三つが噛み合って初めて、森は資源であり続ける。
7HGは所有者ではなく、関所の番人として、人と物とお金が行き交う場所をつくる。それが、地域に新しい産業を残す道だと考えている。
Seven hills. Seven continents. One gate at a time.
出典・注記
- 林野庁「令和6年(2024年)木材需給表」(木材自給率42.5%、建築用材52.9%)。
- 林野庁・J-クレジット制度事務局 公表資料(森林由来クレジットの認証動向)。
- 森林経営管理法、改正クリーンウッド法、木材利用促進法(各府省公表資料)。


