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再エネ 環境開発チェック厳格

Reading the new rules of the land

メガソーラーの「環境チェック」、対象が広がります
3万kW → 1.5万kW

2026.06 公開 カテゴリ:再エネ制度 / 太陽光 読了めやす:約6分

3行でわかる

  1. 大きな太陽光発電所をつくる前には、「環境への影響を事前に調べる手続き」が必要です。
  2. その対象が、これまでの出力3万kW以上から、1.5万kW以上へと引き下げられる方針です(2027年にも施行予定)。
  3. つまり中規模の発電所も事前チェックの対象になり、開発の準備期間とコストが変わります。

01そもそも「環境アセスメント」って?

「環境アセスメント(環境影響評価)」は、大きな開発を始める前に、その工事や施設が自然・景観・くらしにどんな影響を与えるかを前もって調べ、影響をへらす工夫をしながら計画を進めるための手続きです。

たとえると 大きな手術の前に受ける「健康診断」のようなものです。問題が見つかれば、計画を直したり、対策を加えたりしてから工事に進みます。だれかの許可印が一発で出る、というより、調べて・公開して・意見をきいて・直す、という一連のプロセスです。

太陽光発電は急速に広がった一方で、山を削った開発や景観・防災のトラブルも各地で起きました。そこで2020年から、一定以上の大きさの太陽光発電所もこの手続きの対象になっています。今回の話は、その「対象になる大きさのライン」を下げる、というものです。

02何が変わる? ―「対象になるライン」が下がる

いちばんのポイントはシンプルです。事前チェックの対象に入る発電所の大きさのラインが、3万kWから1.5万kWへと半分の水準まで下がります。これまで対象外だった中規模の発電所が、新たに対象に加わります。

Fig.1「対象になるライン」が左へ動くイメージ(ものさし図)

0 1.5万 3万 4万kW これまで 対象外 対象 これから 対象外 新たに対象 対象 ラインが左(小さい方)へ
対象外(手続き不要) 新たに対象になる中規模 もともと対象
※ 数値はわかりやすさを優先したイメージです。実際の区分の詳細は今後の政令で確定します。
Table 1ビフォー・アフター早わかり
 これまでこれから(2027年にも)
事前チェックの対象出力 3万kW 以上出力 1.5万kW 以上
新たに対象に入る規模1.5万〜3万kW の中規模が追加
盛り土を伴う場合通常の審査審査をより厳しく
根拠となる法律環境影響評価法(環境省)+ 電気事業法(経済産業省)の政省令を改正
1.5万kW ってどのくらい? 1.5万kW(=15MW)は、ざっくり一般家庭およそ数千世帯分の電気をまかなえる規模感の、中規模の太陽光発電所のイメージです。「ものすごく巨大」ではないけれど、地域への影響は十分にあり得る大きさ、と考えると分かりやすいです。

03「必ず」と「場合による」の2段階

この手続きには、大きさに応じて2つの段階があります。すべてが「必ず実施」ではなく、規模によって「やるかどうかを個別に判断する」ゾーンがあるのがポイントです。

Table 2どの発電所が、どう扱われる?
区分大きさのめやすどうなる?
第1種4万kW 以上必ず事前チェックを実施します。
第2種1.5万〜4万kW
(下限が拡大)
やるかどうかを個別に判断します(=今回ラインが下がるのはここ)。
対象外1.5万kW 未満この法律の手続きは不要です(※地域の条例などは別途あり)。

※ 第1種側の最終的な扱いや具体的な数値は、今後公表される報告書・政令案で確定します。本記事は2026年6月時点の方針にもとづく解説です。

04チェックって、何をするの?

対象になると、ざっくり次の4つのステップを踏みます。調べて、計画を立て、結果をまとめ、最終報告へ——という流れで、地域や自治体の意見も反映していきます。

Step 1
どこに気をつける?
計画の早い段階で、配慮すべき環境を洗い出します(配慮書)。
Step 2
何をどう調べる?
調査する項目と方法を決めます(方法書)。
Step 3
調べて、まとめる
実際に調査・予測・評価を行い、結果をまとめます(準備書)。
Step 4
最終報告
意見をふまえ仕上げます(評価書)。

この一連の流れには、案件によって2〜4年ほどかかることもあります。「対象に入るかどうか」が、事業のスケジュールを大きく左右する理由がここにあります。

05なぜ今、厳しくなるの?

今回の見直しは単独の措置ではなく、政府がまとめた「メガソーラー対策パッケージ」(2025年12月決定)の一部です。再エネは最大限に活かす方針を保ちつつ、自然環境・安全性・景観という3つの面で生じてきた地域の懸念に対応するため、ルールを強めるという位置づけです。

背景には、山林を削る開発・盛り土・景観をめぐる住民とのトラブルなど、各地で「行きすぎた開発」への心配が高まったことがあります。事前チェックの網を中規模まで広げることで、こうした問題を未然に防ごう、というねらいです。

06いつから? ―これまでの流れ

2020令和2年
太陽光発電が、はじめて環境影響評価法の対象に追加(4万kW以上=必ず/3万kW以上=個別判断)。
2025.12令和7年
政府がメガソーラー対策パッケージを決定。アセス対象の見直しが柱の一つに。
2026.06令和8年
環境省・経済産業省の検討会で報告書をとりまとめ(=いま、ここ)。
2027予定
政令を改正し、1.5万kW以上へ引き下げを施行する見通し。

現時点(2026年6月)では確定した政令ではなく「方針」の段階です。1.5万kWという数字や適用の細部は、今後の報告書・政令案で固まります。

07つくる側・土地をお持ちの方へ

これまで「3万kW未満に抑えれば手続きは不要」と考えられていた中規模の計画でも、1.5万kW以上なら個別判断の対象に入る可能性が出てきます。対象になれば前述の数年がかりの手続きが発生しうるため、準備期間とコストの見通しが変わります。とくに山林・傾斜地など、盛り土をともなう造成案件は影響が大きくなります。

逆に言えば、早めに制度の動きをつかみ、立地と規模の設計を前提から考えておくことが、これからの開発では一段と重要になります。

7HG からのひとこと

制度が厳しくなることは、「再エネをやめる」という話ではありません。むしろ、地域と長く共生できる、筋のいいプロジェクトだけが残っていく流れだと私たちは考えています。

セブンヒルズゲートは、太陽光(新規開発・セカンダリー取得)と系統用蓄電池の双方を手がける立場から、こうした制度変更を「リスク」ではなく「設計の前提」としてご一緒に読み解きます。土地・案件のご相談は、お気軽にどうぞ。

出典・参考

  • 日本経済新聞「メガソーラーの環境アセス、対象拡大 政府方針」ほか関連報道(2025年12月・2026年5月)
  • Sustainable Japan「政府、メガソーラー対策パッケージ決定」(2025年12月24日)
  • 環境省「環境影響評価情報支援ネットワーク」環境アセスメント制度の解説
  • 経済産業省・環境省 検討会資料(太陽光発電に係る環境影響評価)
本記事は2026年6月時点で公表されている情報をもとに、一般向けにわかりやすく整理したものです。制度は今後の報告書・政令で内容が確定・変更される可能性があります。個別の案件判断にあたっては、最新の公式情報および専門家への確認をおすすめします。
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