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太陽光・蓄電池に「サイバー対策の合格マーク」が必須に

JC STAR
A security label reaches the grid edge

太陽光・蓄電池に「サイバー対策の合格マーク」が必須に
JC-STARって何?

2026.06 公開 カテゴリ:再エネ制度 / 太陽光・蓄電池 読了めやす:約7分

3行でわかる

  1. 太陽光や蓄電池の機器がサイバー攻撃に強いかを国がチェックし、合格した製品に「合格マーク(ラベル)」を付ける制度が JC-STAR です。
  2. 2027年4月から、新しく電力系統につなぐ太陽光・蓄電池は、このマークの一番下のランク 「★1」 を取った機器を使うことが必須になります(小規模=低圧は2027年10月から)。
  3. つまり機器選びに「サイバーセキュリティ」という新しい物差しが加わり、値段とスペックだけでは選べなくなります。

01そもそも「JC-STAR」って?

JC-STAR(ジェイシースター)は、インターネットにつながる機器(IoT製品)が、サイバー攻撃に対してきちんと備えているかを国がチェックし、その水準を★(星)の数で見える化する制度です。国の専門機関である IPA(情報処理推進機構)が運営しています。

たとえると 食品の「合格マーク」や、家電に付いている安全マークのようなものです。中身が一定の基準を満たしているかを確認して、買う人がひと目で分かるように目印をつける——その「サイバーセキュリティ版」だと考えると分かりやすいです。

ランクは ★1 から ★4 まであります。下のランク(★1・★2)はメーカーが自分で「満たしています」と宣言する方式、上のランク(★3・★4)は第三者がしっかり評価して認証する方式です。一番下の ★1 の合格ラベルは2025年から交付がスタートしました。

Fig.1JC-STAR の4段階と、必須になる「★1」

自己宣言(メーカーが確認) 第三者が評価・認証 ★ 1 最低限の基準 ★ 2 やや高い ★ 3 高い ★ 4 最も高い 2027年から、ここが必須 新規連系の太陽光・蓄電池
2027年から必須になる ★1 より高い水準(今後整備)
※ ★2以上の扱いや、太陽光・蓄電池に合わせた専用の基準づくりは、今後 国の審議会で議論が進む予定です。

02なぜ、太陽光と蓄電池の話なの?

いまの太陽光発電所や蓄電池は、もはや「置いておくだけの機械」ではありません。インターネットに常時つながり、遠くから運転を制御するのが当たり前になっています。便利な反面、ネットにつながっているということは、サイバー攻撃の入り口にもなり得るということです。

「パワコン」ってなに? パワコン(パワーコンディショナ/PCS)は、パネルや蓄電池の電気を、家庭や電力会社の系統で使える形に変換する「変換装置」です。最近はネット経由で発電量や充放電を遠隔で管理するため、ここがサイバー対策のカギになります。

実際に、2024年5月には太陽光発電向けの遠隔監視機器およそ800台がサイバー攻撃を受け、不正送金に悪用された事例が報告されました。さらに心配されているのは、蓄電池の充放電が一斉に乗っ取られると、地域の停電や電力系統の乱れにつながりかねないこと。だからこそ「機器そのものの安全性」を底上げしよう、という流れになったのです。

03何が決まった? ―2027年から「必須」に

2025年12月の国の検討会(グリッドコード検討会)で、新しく電力系統につなぐ太陽光・蓄電池には、JC-STAR ★1 を取った機器を使うことを「必須の要件」とする方針が決まりました。これまでの「推奨」から、満たさないと連系(系統への接続)が難しくなる「要件」へと、位置づけが一段上がったのがポイントです。

Table 1ビフォー・アフター早わかり
 これまでこれから(2027年〜)
JC-STAR の位置づけ推奨・任意系統連系の必須要件
対象新規に系統接続する太陽光・蓄電池
必要なランク★1 を取得した機器
適用の開始2027年4月/低圧(50kW未満)は2027年10月
なぜ小規模だけ半年あと? 低圧(50kW未満)の機器は、すでに作られた「旧仕様の在庫」が流通網にしばらく残ると見込まれます。そこで現場が混乱しないよう、半年ほどの移行期間を置いて、2027年10月からの適用とされました。

04どの機器が対象になるの?

カギは「ネット通信を使って、運転の制御に関わる機器かどうか」です。代表はパワコン(PCS)とEMS(エネルギー管理システム)ですが、それだけとは限りません。制御に関わる通信機器は、ひととおり見渡して確認するのが安全です。

Table 2対象になりやすい機器の目安
機器役割扱い
PCS電気の変換・制御の中心対象。代表的な対象機器です。
EMS発電・充放電の管理対象。通信で制御に関わるため。
BMS・ゲートウェイ
遠隔監視装置 など
蓄電池の管理・通信の中継要確認。ネット通信で制御に関与するものは対象に含まれ得ます。
通信に関与しない
単純な機器
制御通信なし対象外の場合があります。システム一式で確認を。

※ ★1の取得は「これで全部安心」という意味ではありません。国の整理でも、★1は想定される脅威のすべてを満たすわけではなく、設置者・管理者側の運用上の対策も引き続き必要とされています。

05いつから? ―これまでの流れ

2024.05令和6年
太陽光向けの遠隔監視機器 約800台がサイバー攻撃を受けた事例が判明。機器の安全性に注目が集まる。
2024.08令和6年
経済産業省がIoT製品のセキュリティ評価制度の構築方針を公表。
2025.05令和7年
IPAが JC-STAR ★1 の合格ラベル交付を開始。最初の取得製品リストを公開。
2025.12令和7年
国の検討会で、太陽光・蓄電池への ★1 要件化を決定(2027年4月から)。
2026.06令和8年
各メーカーが対応製品を続々と投入中(=いま、ここ)。準備期間に入っています。
2027予定
4月=太陽光・蓄電池で必須化/10月=低圧にも適用の見通し。

本記事は2026年6月時点で公表されている方針にもとづく解説です。細部は今後の公式資料・各電力会社の周知文書で確定・変更される可能性があります。

06メーカーの動きは? ―国内も海外も加速

2026年に入り、対応製品が一気に出そろい始めました。国内ではニチコンが家庭用蓄電システムでJC-STAR認証を取得エクソルは太陽光と蓄電池を1台で制御するJC-STAR対応のハイブリッドパワコンを今秋発売すると発表しています。

注目は海外勢です。SMA(ドイツ)、Power Electronics(スペイン)、Samsung SDI(韓国)、dots energy(台湾)などはすでに★1を取得済み。国の公的データベースでセキュリティ耐性が客観的に示されたことで、国内メーカーと対等に競える土俵に乗ってきました。さらに、英国やシンガポールの制度とは相互承認が進み、海外展開の手続き負担を減らす動きも出ています。

事業を進める側から見ると、やることはシンプルに整理できます。

Step 1
洗い出す
案件で使う通信機器(PCS・EMS・ゲートウェイ等)を一覧化する。
Step 2
確認する
IPAの「適合ラベル取得製品リスト」で対応機種かを確かめる。
Step 3
手配する
適合製品の調達・据付が、連系の時期に間に合うか逆算する。
Step 4
申し込む
適用時期を意識して、系統連系の契約申込みを進める。

特に低圧案件は「契約申込みのタイミング」が分かれ目になります。工程の前倒しが効いてきます。

07つくる側・土地をお持ちの方へ

これからの太陽光・蓄電池は、「いい機器を、安く」だけでは選べません。サイバーセキュリティ(JC-STAR)という新しい合否ラインが加わり、ここを外すとそもそも系統につなげない——という時代に入ります。逆に言えば、早めに対応機器を前提に計画すれば、慌てずに進められるということでもあります。

7HG からのひとこと

蓄電池や太陽光は、いまや市場や系統と常時つながって動く「社会インフラの一部」です。サイバーセキュリティは後回しにできる付帯項目ではなく、設備が止まらず・乗っ取られずに動き続けるための、資産価値そのものを支える土台だと私たちは考えています。JC-STARは、その土台を共通の物差しで確かめられるようにした第一歩です。

とくに既設案件の取得(セカンダリー)では、「いま動いている機器が、この先の要件に耐えられるか」の見極めが、これからのデューデリジェンスの一部になります。セブンヒルズゲートは、新規開発から既設取得、系統用蓄電池まで一気通貫で関わる立場から、★1の有無を入口に、連系の時期から機器更新の要否まで具体的に一緒に点検します。制度の読み解きでお困りのときは、声をかけてください。

出典・情報取得先

本記事は2026年6月時点で公表されている情報をもとに、一般向けにわかりやすく整理したものです。制度は今後の公式資料・政省令・各電力会社の周知文書で内容が確定・変更される可能性があります。個別の案件判断にあたっては、最新の公式情報および専門家への確認をおすすめします。
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