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GX-ETS ???

Carbon, Now Priced

GX-ETS(排出量取引制度)を図で読む

公開 2026年6月区分 カーボンプライシング読む ほぼ図解

3行でわかる

  1. CO2を多く出す大口(約300〜400社)に、排出枠の保有を義務づける国の制度。2026年4月から稼働中。
  2. 政府が枠を配り、企業は1年分の排出と同量の枠を返す。減らせば売れ、超えれば買うか負担金。
  3. 炭素に価格がつくと、再エネ・クレジット・地域の削減が「お金になる」。

01GX-ETSとは

出してもタダだったCO2に、1トンごとに「枠(切符)」が要るようになった制度。

Fig.1炭素に「切符」がつく
これまで:タダ制度開始枠 1tGX-ETS:枠が要る
これまで排出はタダ。GX-ETSでは、出した分だけ枠(切符)が要る。
ひとことで空気にメーターがつくイメージ。減らせば切符が余って収入になり、出しすぎれば切符を買い足すか、負担金を払う。
What was free now carries a ticket.

02だれが対象か

すべての企業ではない。大きく出す少数の事業者に絞られている。

Fig.2対象は「大口」だけ
すべての事業者10万t以上/ Scope1約300〜400社少数の大口
直近3年度の平均で、CO2の直接排出が年10万トン以上の事業者が対象。およそ300〜400社。
Fig.3少数で、排出の大半をカバー
約6割国内排出対象は約300〜400社。それでも国内の排出のおよそ6割をカバー。
数は少なくても、国内の温室効果ガス排出のおよそ6割をカバーする。

03何が「対象の排出」か

対象は、自社で直接出すCO2だけ。買った電気の分や他のガスは入らない。

Fig.4対象になる排出・ならない排出
燃料の燃焼などの直接排出(Scope1)対象買った電気・熱の間接排出(Scope2)対象外CO2以外の温室効果ガス対象外
燃料の燃焼などの直接排出(Scope1)が対象。買った電気・熱の間接排出(Scope2)やCO2以外のガスは対象外。

04どう回るのか

配る → 出す → 同量を返す → 過不足を取引。これを毎年くりかえす。

Fig.5毎年の4ステップ
1枠を配る政府が無償で2排出する1年間3枠を償却実排出と同量4取引する過不足を売買毎年くりかえす
政府が枠を配り、1年間排出し、実排出と同量の枠を返す(償却)。足りない・余った分は取引する。
Fig.6余剰は売れる、不足は埋める
割当枠(上限)A社余剰|売れるB社不足買う・負担金で埋める
枠より少なく出したA社は余りを売れる。超えたB社は、買うか負担金で埋める。

05足りないときの4つの道

枠が足りないとき、選べる道は4つ。下にいくほどコストが高い。

Fig.7不足を埋める4つの選択肢
1自社で減らす省エネ・燃料転換・再エネ導入2余剰枠を買う枠が余った他社から調達3クレジットを使うJ-クレジット等(利用上限 約1割)4負担金を払う上限価格の約1.1倍 / 最後の手段
①自社で減らす ②他社の余剰枠を買う ③クレジットを使う(上限およそ1割)④負担金を払う(上限価格の約1.1倍・最後の手段)。

06段階的に強まる

一気にではなく、段階を踏んで強まる設計。いまは義務化が始まったばかりの入口。

Fig.83つのフェーズ
2023〜25試行・自主(GXリーグ)2026〜32義務化無償で枠を配るいま、ここ2033〜有償オークション(発電部門から)
2023〜25年は試行(自主)、2026〜32年は義務化(いま)、2033年からは発電部門で有償オークション。右へ進むほど義務が強まる。

072026年度にやること

初年度は特例。まず「測って、計画を出す」ところから始まる。

Fig.9初年度のスケジュール
測って、計画を出す4/1算定スタート期限・目前9/30届出・移行計画 提出2027枠の割当て
4月1日にCO2排出量の算定をスタートし、9月30日までに年度平均排出量の届出と「移行計画」を提出。枠の割当ては2027年度。
対象になりそうな企業へ国に報告しているScope1排出量(SHK制度)が10万トンに近い、または超えるなら、算定体制と第三者確認の備えを早めに固めておくと、9月末の期限で慌てずに済む。

08投資の視点

GX-ETSは規制であり、同時に「価格の発明」でもある。値段のなかった削減に、市場価格がつく。

Fig.10価格がつくと立ち上がる価値
炭素に価格再生可能エネルギー化石燃料コスト増で相対価値が上がる削減クレジット省エネ・再エネ・森林からJ-クレジット地域の削減余地森林・適地・循環が投資対象に
炭素に価格がつくと、再生可能エネルギー・削減クレジット・地域の削減余地が、投資の対象に変わる。

直接の義務は大口の約300〜400社に限られる。だがその需要は、取引や調達を通じてサプライチェーンの外側へ広がる。減らせる事業者、削減を生める地域に、これまでなかった商談の入口が開く。

7HG の視点

炭素という見えない負債が、売り買いできる「枠」という資産に変わる。負債が資産に変わる地点には、新しい関所が立つ。私たちはそこを、課題ではなく投資の入口として読む。

A price on carbon turns reduction into an asset — and an asset into a gate.

出典・注記

  • 経済産業省「排出量取引制度(GX-ETS)」制度概要(2026年)。
  • 経済産業省 産業構造審議会 排出量取引制度小委員会「中間整理/とりまとめ」(2025年12月)。
  • 改正GX推進法(脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律、2025年5月成立/2026年4月施行)。
  • GX推進機構(脱炭素成長型経済構造移行推進機構)、排出量取引制度ポータルサイト。
本記事は2026年6月時点の公表情報に基づく一般的な解説です。枠の上下限価格・ベンチマーク水準・各種ガイドライン等の詳細は今後変更される可能性があります。個別の対象判定・実務対応は、経済産業省・GX推進機構の最新の公式資料および専門家への確認をおすすめします。投資勧誘を目的とするものではありません。
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