系統の価値
太陽光が増えると、なぜ蓄電池が活きるのか
再エネ「系統の価値」をやさしく解説
3行でわかる
- 太陽光が増えると、昼に電気が余ってしまい、発電を止める「出力制御」が起きます。
- その「余り」と「変動」を、蓄電池がためて必要なときに放電し、価値に変えます。
- 再エネの価値は4つに分かれて別々の市場で値付けされ、その入口が「系統につなぐこと」です。
01そもそも「系統」って?
「系統(電力系統)」とは、発電所でつくった電気を、送電線・変電所・配電線を通じて家庭や工場へ届ける電気の道路網のことです。再エネの話で出てくる「系統につなぐ」は、この道路網に発電所や蓄電池を接続することを指します。
02太陽光が増えると、昼に電気が「余る」
太陽光は、よく晴れた昼にいっせいに発電します。すると昼は電気が余り、夜は足りないという時間のズレが生まれます。余ったままだと系統があふれてしまうので、やむをえず発電を止めてもらう——これが「出力制御」です。発電できるのに売れない、いわば「もったいない」状態です。
Fig.11日の電気の動きと、蓄電池の役わり(イメージ図)
03そこで蓄電池の出番 ―「余り」を「価値」に変える
蓄電池は、昼の安い余り電気をためて、夜の高い時間に放電します。さらに、発電のこまかな変動をならして系統を安定させる役わりも果たします。ここがポイントです——発電が生む「余り」や「変動」が大きいほど、それを引き受ける蓄電池の価値は上がります。
太陽光をFIT(固定価格買取)からFIP(市場連動)へ切り替え、蓄電池を組み合わせると、これまで「止められて損」だった出力制御の時間を、高く売れる時間へ振り替えることも見えてきます。2026年度からは出力制御の順番が見直される方針で、これも追い風になります。
04再エネの「価値」は、ひとつじゃない
かつて再エネの電気は「電力量」だけで売られていました。いまは価値が4つに分解され、それぞれ別の市場で値付けされます。蓄電池は、このうち複数を同時に取りにいけるのが強みです(積み上げて稼ぐので「レベニュースタッキング」と呼ばれます)。
| 価値の種類 | かんたんに言うと | どこで売る?(市場) |
|---|---|---|
| 電力量(kWh) | 電気そのもの | 卸電力市場(JEPX) |
| 環境価値 | CO2を出さない電気、という付加価値 | 非化石証書(再エネ価値取引市場) |
| 供給力(kW) | 必要なときに「出せる」力 | 容量市場 |
| 調整力(ΔkW) | 需給を瞬時に「ととのえる」力 | 需給調整市場 |
※ 環境価値の値段はおよそ 0.4 円/kWh が下限の目安ですが、需要しだいで上がることもあります。
05でも、つながなきゃ始まらない ―「系統の空押さえ」
発電所も蓄電池も、系統につながなければ価値はゼロです。そのため接続の「枠」を巡る競争が激しく、申し込みが殺到して、つなぐまでおよそ1年半〜2年以上かかることもあります。
困ったのが、つくる気がないのに枠だけ確保する「空押さえ」です。本気の案件がつなげなくなるため、2026年から対策が強化されました。
06いつから? ―これまでの流れ
※ 2040年の数値は方針・見通しの段階です。今後の制度や政令で内容が固まります。
07つくる側・土地をお持ちの方へ
これからの再エネ事業は、「電気を量で売る」だけでは価値を取り切れません。いつ売るか・どの市場で売るかを設計し、発電と蓄電池を組み合わせて運用する力が、収益を大きく左右します。接続枠も「持っているだけ」では評価されず、本気で動かす案件が選ばれる時代に入りました。
逆に言えば、早めに制度の動きをつかみ、立地・規模・蓄電池の組み合わせを前提から設計しておくことが、これまで以上に重要になります。
制度が変わることは、「再エネが難しくなった」という話ではありません。むしろ、発電と蓄電池をかしこく組み合わせ、地域と長く共生できる筋のいいプロジェクトが残っていく流れだと私たちは考えています。
セブンヒルズゲートは、太陽光(新規開発・セカンダリー取得)と系統用蓄電池の双方を手がける立場から、こうした制度変更を「リスク」ではなく「設計の前提」としてご一緒に読み解きます。土地・案件のご相談は、お気軽にどうぞ。
出典・参考
- 資源エネルギー庁「第7次エネルギー基本計画」「2040年度におけるエネルギー需給の見通し」
- 資源エネルギー庁「非化石価値取引について」「再エネをもっと増やすため、系統へのつなぎ方を変える(ノンファーム型接続)」
- 資源エネルギー庁 スマートパワーグリッドワーキンググループ「系統用蓄電池の迅速な系統連系に向けた対応について」(2026年)
- 需給調整市場の低圧リソース開放・出力制御の見直しに関する各種公表資料・報道(2026年)



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